赤い石がゴロゴロ シャトーヌフ デュ パプ地区

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更新日:2023/10/21

法王の新しいお城:シャトーヌフ デュ パプ

シャトーヌフ デュ パプは、パリからTGVで4時間半くらい南下したOrange(オランジュ)と、さらに南のAvignon(アヴィニョン)の間くらいにある、ワインの銘醸地です。街の名前「シャトーヌフ デュ パプ」は直訳すると「法王の新しいお城」。14世紀に、ローマ教皇がアヴィニョンに移されていた時期、この地に夏の住まいを持ったこともあるそうです。当時からおいしいワインが製造されていて、法王の城でもたくさんのワインが消費されたそうですよ。


街に入ると、小高い丘の上にシャトーらしきものが。早速登ってみると、そこにあったのはなんと残された壁だけ。お城は壁を残して崩れてしまったようです。でも見晴らしがよく、遠くにローヌ川を、その手前には見渡す限りのワイン畑が広がり、ラベンダーの香りも漂う気持ちの良い場所でした。

 

シャトーヌフ デュ パプのテロワールとは

今回は車で当地に入ったのですが、街に近づくにつれそれまでと全く異なった土壌が見えてきました。いたるところにガレと呼ばれる赤い丸い石がゴロゴロと転がって表土を覆っています。大きいものは拳よりさらに大きいくらい。葡萄の木の根元にこのような石が転がっているのを見るのは初めてです。ガレの下には細かい赤い粘土土壌が広がっていて、水はけのよい土地になっています。このようなテロワールに適応するため、葡萄は地中深くに根を伸ばし、ミネラル豊富な地下水から給水するため、ミネラル分豊富な葡萄が育つんだそうです。また、ガレは蓄熱性に優れるので、土壌は夜間でも一定の温度を保ち、熟度の高い葡萄を作り上げます。
一方、ガレが無く、石灰岩、砂などが中心の畑も地区の中には点在しており、それが多種多様な葡萄の味わいを生み出しているそうです。

ワインに使われる葡萄品種

シャトーヌフ デュ パプというワインに使用できる葡萄品種は18種もあり、これは他の地域と比較して最多を誇ります。特に多く使われるのは赤ならグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルなど。組み合わせによりフレッシュなものから凝縮感の強いものまで、様々なワインが生み出されるのが、この地域の特徴だそうですよ。

いくつかのワイナリー訪問記は次のブログで!