更新日:2023/04/29
アイヌ民族が発明したルイベ
北海道に食材の取材に行きました。今日ご紹介するのは、鮭のルイベ。
北海道の先住民族アイヌの人々が、食べ物の不足する冬場の食料として編み出したルイベ。秋に獲った鮭を雪に埋めて保存しておき、冬になるとこれを雪の下から掘り出して食べたのが起源だそうです。凍った鮭を薄くスライスして食べるというのは、まさに今のルイベの食べ方。ちなみに語源はアイヌ語の”溶ける”を意味する“ル”と”食料“を意味する”イベ“、つまり溶ける食料=ルイベという事だそうですよ。
ルイベは栄養と安全を兼ね備えた理にかなった食材
冬になると雪に閉ざされ、食料、特に動物性食品が不足します。たんぱく質豊富な鮭を冬場も食べられるように、天然の冷凍庫を使って保存した素晴らしい知恵ですね。そして、冷凍にすることで、生食の際に気になるアニサキスなどの寄生虫も殺すことができたんですね。
独特の味わいは忘れがたい
鮭と言えば北海道が浮かびますが、実際、農林水産省の統計によると、さけ類の9割は北海道で漁獲されています。そしてそのおいしい鮭を使った郷土料理ルイベ。しゃりっとした鮭が口の中で溶けていく味わいは、北海道で食べるとまた格別です。
最近では普通にしょうゆにつけるだけでなく、塩やレモンをかけたり、あぶったりと、食べ方のバラエティも広がっているようです。いくらのしょうゆ漬けと合わせた、鮭親子漬などの製品もあるので、ぜひ試してみたいですね。