シャトーヌフ デュ パプのワイナリー訪問

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更新日:2023/11/11

シャトーヌフ デュ パプのテロワール、葡萄品種とボトル

前のブログでも触れましたが、シャトーヌフ デュ パプにはガレと呼ばれる赤石がゴロゴロと葡萄の根元を覆う地域が多く、その下に広がる粘土土壌もあって、ミネラル感の強い、凝縮した味わいのワインができるそうです。また、AOCで許されている葡萄品種は18種類。これはフランスのワイン法で規定されているAOCで最多の品種数です。
CNP(シャトーヌフ デュ パプ)のワインは95%以上が赤という事で、グルナッシュ、シラー、ムールヴェドルが使われているトップ3。法王のお城の廃墟近くの葡萄畑では、それらの品種を看板とともに紹介していました。

CNPワインの特徴と言えば、独特のボトルです。多く見かけるのは法王のかぶる冠の下に交差した鍵が描かれているもの。いかにもお墨付き・御用達という感じで気分が上がりますね。

 

CNPのワイナリー

ワイナリー訪問の1軒目はCLOS DU CALVAIRE。お城の南東2㎞程のところにある、家族経営のワイナリーです。1923年に創業し、マイヤール家、その後ルーミュー家によって5世代にわたって存続してきた歴史あるワイナリーですが、新しい事にも対応しており、生物多様性や持続可能性に焦点を当てた葡萄栽培を行っています。敷地には24 の区画があり、様々な土壌と葡萄品種から多様なワインを製造しています。
CLOS DU CALVAIREは、シラー、ムールヴェドル、サンソーなどで作られたしなやかなワインで、赤い果実やバラの花びらの香りがあり、上質なタンニンと果実の繊細な味わいが豊かなハーモニーを醸し出します。
一方、LA CRAU DE MA MEREは、LA CRAUで造られたグルナッシュ、ムールヴェドル、シラーのブレンドです。ブラックベリーやスパイス、熟した赤い果実のような香りをタンニンが引き締め、後味にかすかなチョコレートを感じます。

ワイナリー2軒目は日本でも有名なROGER SABON。こちらはドメーヌの設立こそ1952年ですが、その歴史は16世紀に遡るとのこと。そして、ろ過を行わない事で香りやボディが複雑なワインを製造するという信念を貫いています。
Red Chateauneuf du Pape 《Reserve》は粘土や石灰の土壌で育ったグルナッシュ、シラー、ムールヴェドルをブレンド。フレッシュなグリーンオリーブのような香りがありますが、味わいはボリュームがあり、渋味も少なめです。 一方、同じ土壌で育った同じ葡萄品種から造られていても、《Prestige》は熟した果実やスパイスのような香りがあり、味わいもしっかりとしたタンニンが感じられる力強いワインです。

ワイナリー訪問をして、歴史やワイン造りの信念を聞きながら味わうワインは格別。もし機会があればぜひ試されてはいかがでしょう?