世界遺産にもなっているスイスラヴォー地区

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更新日:2023/10/14

レマン湖北岸に広がる風光明媚なラヴォー地区

スイスには数多くの湖がありますが、その中で一番有名な湖と言えばおそらくレマン湖。中央ヨーロッパで2番目に大きい湖だそうです。スイスの2大玄関口の1つジュネーブの東側に三日月形に広がり、北岸はスイス、南岸はフランスと、2か国に面しています。
そのスイス北岸に広がるのがラヴォー(Lavaux)地区は、ローマ時代からブドウ栽培がおこなわれてきたという、スイスのワイン銘醸地の一つ。段々畑のように連なる細長いテラスのようなブドウ畑、点在する小さな村々はとても美しく、その伝統的なワイン造りの歴史と合わせて「ラヴォーの葡萄畑」の名前でユネスコの世界遺産になっています。

ラヴォー地区のワイン畑をめぐるラヴォーワイントレイン(Lavaux Express)

このラヴォー地区を観光するのにぴったりなのがラヴォーエクスプレス。いくつかルートがありますが、ローザンヌから10分ほどの湖岸の駅Cullyから乗ってみました。

ラヴォーエクスプレスは、良く欧米の観光地で見かける、トロッコ列車のような上半分が解放され、道路を走る観光用の乗物。スピードは自転車程度で、ワイン畑の中の細い道をゆっくり登っていきます。段々高度が上がると、道の左右に垣根仕立ての葡萄畑が整然と広がり、眼下にはレマン湖、対岸にはフランスの山々という美しい風景が広がります。

スイスの人々にとってこの地区はとても自慢の場所のようで、「この場所で出来るワインがなぜとてもおいしいか知っている?」と聞かれることしばしば。「それはね、ここの葡萄は3つのメリットを享受できるからなんだ。太陽からの熱、石垣が温められたことによる輻射熱、レマン湖からの反射熱。このおかげでおいしい葡萄ができるんだよ」と。確かにレマン湖はきらきらと太陽を反射して煌めいて、葡萄畑を温めてくれていました。

村によって違うワインの味わい

コルニッシュ道路を抜けてPuidoux村につくとそこで数種のワインのテイスティングができるスポットが。この辺りで有名なワインと言えば、Epesses、Dezalay、St. Saphorinなど。車で10分もかからない場所にありますが、ワインの味わいはテロワールの違いからそれぞれ。かのチャーリー・チャップリンも足しげく通ったレストランがある村St. Saphorinのワインはフルーティーな味わい。一方ミネラル感のあるDezalayやフレッシュなEpessesも独特の味わい。

この地域(ヴォー州)で生産されるワインの60%は珍しいシャスラーという白ブドウ品種から造られています。でも、このワイン、スイス人は大好きなので、ほとんど自国で消費してしまうとか。なかなか輸出に回るものが少ないので、もし見かけたら、または旅行でスイスに行ったらぜひ試していただきたいワインです。

出典https://www.lavauxexpress.ch/en/